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2006年06月25日

ラッシュライフ

・ラッシュライフ(伊坂幸太郎) 評価4.0



天才に魅せられ集まった人々が作った教団の幹部塚本と末端団員の河原崎。
綿密な計画を立てて盗みを働く職人肌の泥棒、黒澤。
互いの配偶者を殺す計画を立てる精神科医の京子とプロサッカー選手の青山。
リストラされた後、40社企業の採用試験を受けるもすべて不合格だった豊田。

違う道を歩く人たちの人生が交差したとき、
物語はエッシャーのだまし絵へと収束していく。
4人の人間がつむぐ群像ストーリー。


もう一度読み直したくなるような物語の構成に感心した。
登場キャラクターも味があってよかった。
お気に入りは泥棒の黒澤。
変なところで真面目で
世の中をシニカルに捉えているところに面白みを感じた。

群像ストーリーと言えば、恩田陸の「ドミノ」を思い出した。
ドミノよりラッシュライフの方が好みだね。
ラッシュライフはミステリー要素があり、
その分、先を読ませる牽引力が大きいからだろうね。

「六番目の小夜子」を途中で投げ出したぼくなので、
単に恩田陸と波長が合わないだけという可能性もありますが。
posted by 歯車 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月19日

重力ピエロ→文庫化

ハードカバーの単行本はいずれ文庫化される運命にあるわけで、
できるだけ安く本を買いたいと思っているぼくとしては、

「この本、いますぐ読みたいけれど、
出版されてから2年ぐらい経っているし
文庫化されるの待ったほうがいいのかなぁ。
でも、1年ぐらい待っても文庫化されなかったら、嫌だしなぁ。」

ってな感じで、
いつ買うのかタイミングに迷うことがよくあるわけです。

以前、コメントでお勧めいただいた「重力ピエロ」もその一冊。

ヤフオクに出品されるたびに、
落札しようと試みたいていたのだけど、
毎回、高値がついてしまい落札に踏み切れいていなかった。

いっそ新刊で買ってしまおうか。

そう思っていた時期もあったけど、
我慢が功を奏した。
「重力ピエロ」がようやく文庫化するらしい。

重力ピエロ

これはすぐに買うだろうよ。
posted by 歯車 at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月14日

陽気なギャングの日常と襲撃

・陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎) 評価4.0


ひとの嘘がわかる公務員、成瀬。
しゃべり好きな喫茶店のマスター、響野。
スリの天才なのにフリーター、久遠。
正確無比な体内時計をもつ派遣社員、雪野。
個性豊かな四人組の副業は銀行強盗?!

「陽気なギャングが地球を回す」の続編。
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2006年06月12日

バーティミアス2

・バーティミアス2(ジョナサン・ストラウド) 評価3.5



サマルカンドのアミュレットの盗難事件より2年が経っていた。
ナサニエルは帝国の要職につく若きエリートに成長していた。
ナサニエルが国の仕事に力を注ぐ中、
街では「レジスタンス団」と呼ばれるテロ集団によって起こされる事件が頻発していた。

傑作ファンタジーの続編。


あいかわらず、
バーティミアスとナサニエルのコンビがいい感じ。
ナサニエルの馬鹿ガキっぷりもいまだ衰えず。
バーティミアスの軽口が個人的にツボ。
posted by 歯車 at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

ALONE TOGETHER

・ALONE TOGETHER(本多孝好) 評価3.5(+0.5)




「この女の子を助けてくれませんか?」


ぼくは中退した医大の教授に招かれていた。
ぼくと教授との接点は
教授の授業を5、6回だけ聞いただけという限りなく希薄なものだった。

「お願いします。わたしは、助けてやれないのです。」

教授は患者1人を安楽死させたことで、
殺人容疑がかけられつつあった。

missingの続編。
失った人たちが作る物語が再び始まる。


題名の「ALONE TOGETHER」の意味は、
人間は本質的には他人とは決して分かり合えず孤独であり続けるしかないけど、
それでも他人と寄り添うことでしか生きていけない。
背反律を象徴した題名なのかな。

おもしろさは、評価3.5なのだけど
印象的なシーンがあったので0.5ポイントアップ。

通り魔をしていた中学生の少年が主人公にその動機を打ち明けるシーン。
一部まとめながら、そのシーンを紹介すると、


「犯罪を犯さないのは、それを犯せば、
その社会の中で不利な扱いを受けるからです。
けれどそれは、ルールに従っていれば、社会の中で公正に扱われる、という前提があって、初めて抑止力たり得るんです。
ぼくらの世代にはその前提がない。
ルールを守ろうと、守らないと、ぼくらは不利な扱いを受けるんです。」
「なぜ?」
「ぼくらがマイノリティーだからですよ。」
「マイノリティー?」
「年寄りが増えすぎたんです。
これからもどんどん増えていく。
ぼくたち若者は少数者です。
残念ながらぼくたちは民主主義社会に生きています。
その社会では、多数者の意見が尊重される。
多数者である年寄りに媚びた政治家が選挙で通って議事堂に集まって、
年寄りに媚びた政策を続々と立法化するんです。
その法に従う限り、
ぼくらはずっと年寄りの言いなりになって暮らさなければならないんです。」


年金を聞くたびに暗い気持ちになるのは
金銭的な負担が増加するというだけではなく、
こういったことも、漠然ながらも感じていたからなんだろうかと思った。
posted by 歯車 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

missing

・missing(本多孝好) 評価3.0




missing。
それは喪失。

恋人を失った教師。
妹を亡くした無表情な少女。
自分を見失った女性。
自殺に悩む人気コメンテーター。

失った人々が作る短編集。


好きな乙一の小説「失はれる物語」のような話を想像していたが、
違っていた。
どちらかと言うと、村上春樹寄りで春樹をポップにした感じ。
「瑠璃」の主人公とかすごく春樹っぽい。
物事に対して斜めに構え、冷静で動揺しないところなんか。
ただ、村上春樹のように泥臭くはない。
どちらかというと綺麗に澄んだ印象を持つ話が多かった。
posted by 歯車 at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

カラシニコフ

・カラシニコフ(松本仁一) 評価4.0



兵士がナチスから祖国を守ったとき、
少年兵が見せしめに村人の手首を切り落としたとき、
11歳の少女がレイプされたとき、
暴力と利権に支配されたゲリラが国家を崩壊させたとき、

AK47。
カラシニコフがそこにあった。


読み終えて出たのは、ため息。

アフリカの悲惨な状況が描かれていた。
「なにこれ、ファンタジー?」と思うぐらい日本の感覚と離れいる。

自動小銃を持った護衛がいないと街を歩けないって、
オイルマネーがあるのに国が豊かにならないって。

特に、南アフリカのはなしにはショックを受けた。
南アフリカは治安も良く豊かな国というイメージがあったのだけれど、
間違いだった模様。
アパルトヘイト関連法案が撤廃されて
さらにいい国なったのかと思いきや、
現状はまるで逆方向に向かっていたなんてね。

殺人事件発生率は日本の50倍・・・。

さらに、日本政府の外交のお馬鹿さも鋭く批評していました。
政府高官の胸元に入るだけなのに、
失敗国家に対して数億円の援助を行う日本外交。

なんかせつなくなるよね。

重い話を扱っているので読むと深刻な気持ちになるけど、
ページをめくるスピードを落とさせないおもしろい本でした。
posted by 歯車 at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

バーティミアス サマルカンドの秘宝

・バーティミアス(ジョナサン・ストラウド) 評価3.0



薬草を燻した香の匂いが薄く部屋に漂っていた。
床には小さな円とびっしり書かれたルーン文字からなるペンタクルが刻まれていた。
そのペンタクルの中で、
たった今召還されたばかりのジンがナサニエルをにやにや笑いながら見ていた。
その名はバーティミアス。
ハリーポッターに匹敵するファンタジー小説がいまここに始まる。


この本のおもしろさは
いつもいがみあってちぐはぐな主人公ナサニエルと使い魔のバーティミアスが
なんだかんだで、息の合うベストパートナーになっているところだろう。

終盤、2人の間にできた奇妙な信頼関係には、にやりとさせられた。

ただ、おもしろいにはおもしろいけど、期待したほどではなかった。

主人公ナサニエルにプライド高い馬鹿ガキだったため、
イライラさせられたせいかもしれない。

同じ児童向けのファンタジーで評判の良い本に
「ダレンシャン」シリーズがあるが、そっちも読んでみたい今日この頃。
posted by 歯車 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

僕たちの終末

・僕たちの終末(機本伸司) 評価3.5



地球は滅亡に瀕していた。
地球の電子レンジ化。
太陽の活発化による太陽暴風が起きようとしていた。
だから、ぼくたちは星間宇宙船を作ろうと思った。

はたして、ぼくたちは他の星系まで行ける宇宙船を作ることはできるのか?

宇宙の作り方を追求した小説「神様のパズル」の作者、
機本伸司が描く星間宇宙船の作り方。

デビュー作の「神様のパズル」は評価4.0の傑作小説だった。
夢中になって読んだ。
2作目の「メシアの処方箋」はいまいち。
なんだかなーという感じだった。
さて、今回の3作目だけど、まぁまぁ。

星間宇宙船を作るための金銭的な問題、技術的な問題、政治的な問題。
宇宙船建造に関わる様々な問題を挙げて
ひとつひとつの課題に丁寧に向き合っており
宇宙船作りの困難さの描写に説得力があった。

ラストも熱くて興奮した。


追記:

・神様のパズル(機本伸司) 評価4.0



ハードカバーだった「神様のパズル」が
文庫化されて安く手に入るみたいなので、
興味が湧いた人は読んでみるといいかも。
posted by 歯車 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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