[PR] SEO 墨汁二滴

2006年07月03日

夏のこどもたち

・夏のこどもたち(川島誠) 評価2.5




「少し学校をひっかきまわしてよ」

夏休みに入る前、
ぼくは担任の瀬川先生により校則改定委員に任命された。
めんどくさい。
校則がどうなろうと知ったことじゃない。
自分がいやだって思う規則なら守らなければいいのだ。

「それでもね。
変えられるなら、エイって変えちゃったほうが気持ちいいでしょ。
このままの学校じゃ息が詰まるわ」

困った。
けれど、少しだけ愉快になった自分がいた。

片目でクールな主人公、朽木元が送った鮮烈な夏を描いた表題「夏のこどもたち」。
その他3編の短編をまとめた短編集。


クールな性格で片目という主人公の設定に惹かれて購入してみた。
期待はずれ。
大衆小説というよりは純文学寄りの、
おもしろさに欠けた退屈な作品だった。
クールな主人公が徐々に熱くなっていく展開を期待したけど、
ずっと冷めたままだった。

いや、ちょっと待て。
一部分では熱くなっていたか。
双眼鏡を使って丘の上の自宅のベランダから、
近所の女子高生の部屋を覗き見て「ハァハァ」していたな。

求めていたのはそんな熱さではなかったけどね。

淡々としていて読みやすい文章だったので、
とりあえず最後まで読んだ作品。
posted by 歯車 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 2つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

4teen

・4teen(石田衣良) 評価3.5



太って大きなダイ、
小柄でメガネのジュン、
早老病のナオト、
そして、ぼくはテツロー。
ぼくたちは人生で一番眩しい時間を過ごしている。

友情、恋、性、暴力、病気、死を体験した4人の少年たちの成長を
瑞々しく描いた物語。


石田衣良の作品を読んだのはこれが初めて。
石田衣良は「娼年」や「池袋ウエストストゲートパーク」などで知られる人気作家だけど、
テーマが重そうで敬遠してきた。
たまたま友人が貸してくれたので、読むことにした。

結果、ぼくの好きな青春小説でした。

石田衣良はこんな本も書いているんだね。
ちょっと興味が湧いた。

あと、石田衣良は元ライターだけあって、
タイトルにうまさを感じた。

fourteen:14歳
4teen:4人のティーンエイジャー

二重の意味をもたせることで
作品をよく捕らえているいいタイトルだと思った。
posted by 歯車 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月02日

重力ピエロ

・重力ピエロ(伊坂幸太郎) 評価4.5



ぼくが2歳になったとき、弟の春が生まれた。
何をやるにしても春が一緒だった。
「兄貴がいれば、すべてがうまく行く気がする。」
ほとんどの時間を一緒に過ごして育った。
父親は違っていても、ぼくたちの仲は良かった。
春が生まれる1年前、
ぼくたちの母親は連続強姦魔によりレイプされていた。

暗い過去を持つ兄弟。
連続放火事件とそれを予見するグラフィティーアートの出現。
2人の兄弟が謎解きに挑戦するとき、車輪は回り始める。

兄弟愛とは?家族愛とは?
伊坂幸太郎の記念碑的作品がここに今文庫化される。


早速購入し、読了。
設定がが重いので、
ナナミさんが好んで読みそうな暗い作品かと思っていたが、
全然違った。

温かい家族愛と兄弟愛に満ちた作品だった。

伊坂幸太郎の作品で初めて泣いた。
2人の兄弟が互いを気遣う様、父親の温かな眼差し。
終盤が止めだった。

「空中ブランコをするピエロのように、
重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、
空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不恰好に転ぶ。
何かを忘れさせるために、だ。」
「重いことほど陽気に話すんだ。」

気づけば、鼻水も垂らしながら読んでいた。

こういう温かい物語は好きだ。
セカチュウとか悲劇で泣かせる小説よりずっと心に残る。

「NUMBER GIRL」さんが5回も再読したのも納得の作品だった。
posted by 歯車 at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。