[PR] SEO 墨汁二滴

2006年12月30日

三人目の幽霊

・三人目の幽霊(大倉崇裕)評価3.0



新人編集者の緑は編集長の牧の人並み洞察力に驚かされるばかり。
誰もが首を傾げるばかりだった謎が牧の手にかかると、明らかにされてしまう。
落語界を舞台にしたミステリ連作短編集。

続編が読みたくなるくらい物語自体はおもしろかったけれど、
ほんとは佐藤多佳子さんの"しゃべれども、しゃべれども"のような
お人よしの若手落語家が奮闘するお話を読みたかった。
posted by 歯車 at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

2006年ベスト5

2006年が終るまであと数日。

今年は読んだ、よく読んだ。
冊数だけで言えば、だいたい200冊。
だいたい、2日に1冊読んでいる感じ。
ただ、ライトノベルを50冊ほど含んでいるけど。

さて、今年ぼくが読んだ200冊の中でベスト5を上げてみる。

1位 イレギュラー(三羽省吾)
2位 君の友だち(重松清)3位 大聖堂(ケン・フォレット)
4位 黄色い目の魚(佐藤多佳子)
5位 空の鐘の響く惑星で1-12(渡瀬草一郎)

5位の空鐘はライトノベルだけど、夢中になって読んだ作品なのでランクイン。
序盤の内乱編が特に熱いファンタジー小説である。
信念を持った悪役たちもかっこいい。
このシリーズが終ってしまったのが惜しまれる。

ついでにワースト作品。

ワースト1位 消えたこどもたち(オースン・スコットカード)
"本の雑誌"で年間大賞をとっていたので期待しながら読んだが、裏切られた。
いつまでも盛り上がらない話に読むのをやめようと何度も思ったが、
「絶対そのうちおもしろくなる。」と自分を叱咤しながらページをめくった。
一分の高揚感もなく迎えた最終ページ。
物語が長かった分、激しい喪失感を感じた。
この作者の本はたぶん二度と読まない。

さらに調子の乗ってブービー。

ブービー シャングリラ(池上永一)
世間の評価が高いので期待して読んだ。
合わなかった。
登場人物たちが好きなれなかったのが一番の原因。
この先こいつらがどうなろうとどうでもいいやと投げやりな気持ちで読み進めた。
本自体が厚く、作業じみた読書が長く続いたため、
読み終えたとき、達成感とともに深い疲労感を感じた。
終盤の嫌いな男塾のような展開も疲労を感じた理由だろう。

そんなわけで乱読し好き勝手に感想を書いた一年でしたが、
2007年は250冊越えを目標に読書ライフを送りたいと思います。
posted by 歯車 at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年ベスト5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

凍りのくじら

・凍りのくじら(辻村深月)評価3.5
凍りのくじら

スコシ・ナントカ。
この言葉は周囲の人間にぴったりとはまる。
Sukoshi・Fuan(少し不安)
Sukoshi・Fungai(少し憤慨)
Sukoshi・Fuzoroi(少し不揃い)
Sukoshi・Free(少しフリー)
そして、わたしの"SF"は"少し不在"。
高校生、理帆子の"少しふしぎ"な物語。

家族や他人とのつながりが描かれた物語。
登場人物の個性を"S・F(スコシ・ナントカ)"で表現しているところはおもしろい。
自分の周囲を思い浮かべ、彼らならどんな"S・F"がふさわしいだろうかと考えてしまった。
苦手な悲しくなる本だと聞いていたけど、さほどでもない。
悲しくなる要因がわからないが、思い当たるのはある登場人物の結末。
でも、あの結末にはむしろすっきりしたので、うーん違うかも。
posted by 歯車 at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

2005年のロケットボーイズ

・2005年のロケットボーイズ(五十嵐貴久)評価3.5



微積分もわからないおれが人工衛星を作るハメに!?
あせって集めた仲間は曲者ばかり。
お調子者、パチスロの求道者、尊大な秀才、天才的数学センスを持ったサヴァン、
美少女とそれを取り巻くオタク系大学院生、義侠心溢れる不良、元旋盤職人のじいさん。
果たして、おれたちは人工衛星を作ることができるのか。
個性的な面々が織り成す理系青春グラフティー。

おもしれーやつらだなと楽しめた。
何かに打ち込んでいる本はやる気もらえるから好きです。
posted by 歯車 at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

なぜ家族は殺し合ったのか

・なぜ家族は殺し合ったのか(佐木隆三)評価3.5



「小学5年のとき、父は殺された」
「父の遺体はわたしが刻んで処理した」
保護された少女はそう答えた。
小倉少女監禁事件は一家殲滅という凄惨極まりない事件に発展した。
この惨劇が起こった原因は何なのか。
地獄絵図の深層に迫った渾身のノンフィクション。

怖いもの見たさから読んでみた。
ルポの淡々とした語り口だからまだいいが、
これが小説だったらかなりのダメージを受けただろう。
子が父を殺し、夫は妻を殺し、姉が弟を殺す。
えぐすぎる。
家族同士を殺し合わせるという内容は凄惨極まりない。

事件の中心にいた男、松永太。
彼は自らの欲のため一家族を殲滅にまで追い込んだ。
その黒い才能に驚くと同時に、第二の松永が自分のそばにきたら、と恐怖を感じた。

歪な人間が出てくる話を読みたい人にはお勧め・・・かもね。
posted by 歯車 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月13日

夜市

・夜市(恒川光太郎)評価3.5



今宵は夜市が開かれる。
そこではどんなものでも手に入るという。
雄司は幼い頃、"弟"と引き換えに"野球の才能"を手に入れた。
暗い森の奥、その闇の中で、今宵も夜市が開かれた。
第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

泥臭い不思議な世界観がいい。
簡単に言えば、現実と隔離さらた異世界で起きる奇妙な物語。
悲壮さや残酷さはあまり無い。
同賞は昔読んだ"ぼっけえ、きょうてえ"がいまいちだったので、
この賞の作品は自分には合わないかもと思っていたけど、
この"夜市"は楽しい作品だった。
posted by 歯車 at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月12日

終末のフール

・終末のフール(伊坂幸太郎)評価3.5



小惑星の衝突により世界が滅亡することがわかったのは5年前のことだった。
横行する略奪と暴行、混乱する世界。
5年という時間の中である者は殺され、ある者は命を絶ち、ある者は他人の命を奪った。
世界の滅亡まであと3年。
仙台のとある団地に住む人々は最期の日々をまだ生きていた。
終末を過ごす人々を描いた群像小説。

登場人物も設定もおもしろく読んでいて楽しかったけど、どこか物足りなく薄味な印象。
もうひと味ほしい。
絶望の中を冷静に生きるという人たちはかっこいいけど、
1つぐらいあがいている人の物語があってもよかったかも。
登場人物たちがある一線を越えて肝が据わってしまっているせいか、
終わりの世界を舞台にしている割に淡々とした話ばかりだったなあ。
8編のうち一番のお気に入りは"鋼鉄のウール"
ストイックな生き方をする苗場みたいなキャラクターが好きです。
posted by 歯車 at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月11日

県庁の星

・県庁の星(桂望実)評価3.5



エリート地方公務員がスーパーで研修!
スーパーに出向した"県庁"さんを出迎えたのは、お役所仕事では割り切れない現実。
県庁さんとスーパーの従業員たちの明日はどこへ?
行政と民間との違いとそれに振り回される人々を描いたエンターテイメント小説。

県庁さんのキャラクターがいい。
変なところで真面目なキャラクターが周囲をかき回す様子というのは、
情けなくてイライラするところもあるけれど、それなりに楽しめた。
県庁さんとスーパーの従業員たちとの関係の変化も、いい感じ。
スーパーでの研修期間を終えた県庁さんのその後を描いたエピローグ。
数ページなのだけれど、成長した彼の姿ににやりとした。
posted by 歯車 at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

プラスチック・ラブ

・プラスチック・ラブ(樋口有介)評価3.5



中学卒業から1年半。
ぼくらは不完全な子供から不完全な大人になった。
家出、不倫、事故死、不登校。
変化した環境のなかで、友人たちは様々なトラブルに巻き込まれていた。
軽いミステリ仕立ての短編集。

"ラブ"とついているから、苦手な恋愛小説かと思ったけれど、
実際は青春ミステリに近い作品集だった。
構成が少し変わっていた。
どの物語も木下時郎という高校生が主人公なんだけど、
付き合っている女の子がいたりいなかったり、
両親が離婚していたり、もしくはその寸前だったりと、
物語ごとの細かな設定が違っていて新鮮だった。

主人公の高校生の時郎は自分を頼ってきた女の子を一度は付き返すけれど、
結局はその子を影から手助けするような性格で、
表面的には大人びて冷たくて見えるけど、
実際はやさしさの感じられる少しひねくれた少年。
樋口さんの作品らしい主人公である。
また、期待していた通りどの短編にも強気な女の子のヒロインが出てきた。
ひねくれ主人公と強気な女の子の出てくる話が読みたくて、
樋口さんの作品を読んでいたのでこれだけで自分は満足です。

この人の描く青春小説の主人公とヒロイン、好きだなー。
posted by 歯車 at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

翼はいつまでも

・翼はいつまでも(川上健一)評価4.5



中学2年生の秋。
ぼくはさえない中学生だった。
勉強ができるってわけでもなかったし、野球部でも補欠だった。
でも、ラジオからビートルズが流れたあの夜。
ぼくの中で何かが変わったのだ。
友人との衝突、大人への不信と反発、そして初恋。
中学生の眩しい日々を描いた青春小説。

いい!
読後は温かい余韻が残り、それにしばらく浸ってしまうほどだった。
理不尽な大人たちへの不信と反発、
野球部での仲間との団結、
湖での淡くほのかな初恋。
これぞ、青春って感じの傑作。
青春アドベンチャーでラジオドラマ化されたものも聞いてみたいな。

別の作品も読んでみたい作家さんです。
posted by 歯車 at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月07日

太陽がイッパイいっぱい

・太陽がイッパイいっぱい(三羽省吾)評価4.5



ややこしくする必要の無いことを、なんでわざわざややこしくするんだ。
今日も4流大学の大学生であるイズミはマルショウの仲間たちとともに、
建設現場で汗を流し飯を食らう。
汗と埃まみれの青春成長小説。


画像は単行本版。
文庫本版も出ているけれど、単行本の表装のほうが好みなもので。
三作目の"イレギュラー"の社会性を薄くして、
その分、馬鹿っぷりを濃くしたような作品なんだけど、
おもしろい、そして、笑える。
ページをめくるたび、
"ち○ぽこ"とか"ちん○"などのアレな単語がどこかしらから目に飛び込んできて、
品性の欠片も無い。
「小学生かよ」ってぐらい下品な単語の羅列に、
「うわー、あちゃー」と思うけれど、だけど、笑える。
カンやクドウなどマルショウの個性的な面々の馬鹿な思考やはっちゃけた行動と
地の文の冷静な突っ込み。
にやついた顔を学校の隣の席の人に見られ、けげんな顔をされるくらいは笑える、
うわー、あちゃー。

笑える青春小説をお求めの方におすすめ。
もちろん、上品な人には向かないのであしからず。
posted by 歯車 at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月06日

11月そして12月

・11月そして12月(樋口有介)評価3.0



銀杏の葉の青さに、ふと季節感が混乱した。
湿度の低い空気が穏やかに拡散し、
セピア色の空気をアシナガ蜂の羽音が低くかき回す。
青すぎる銀杏の葉を見上げながら、
ぼくはいま会ったばかりの女の子のことを思い出し、深くため息をつくのだ。
けだるい感じの青春小説。

前読んだ"ぼくと、ぼくらの夏"や"林檎の木の道"がおもしろかったので
期待していたけれど、拍子抜け。
それなりには、おもしろかったけれど。
たぶん主人公が理解できない行動をとったせいだろう。
公園で一度会っただけの女の子のバイト先に訪れるまではいいけれど、
強引にその子の自宅の住所を聞き出したすえ突然のお宅訪問してしまうって
ストーカーっぽいし、なんだかなー。

次は"風少女"に期待。
posted by 歯車 at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

ダレンシャン

・ダレンシャン1-12+外伝(ダレン・シャン)評価4.0



「現実の世界はきたないし、とても厳しい。
主人公がどうなろうがおかまいなしで、ハッピーエンドなどそっちのけだ。
人は死ぬし、けんかには負けるし、悪が善に勝つ。
このことを、話に入る前にたしかめておきたかったんだ。」

世界各国で訳され子供たちを熱中させた大人気シリーズ、ここに開幕。


非情にして残酷な物語だけど、すんごくおもしろれぇぇぇええ!
最初はそうでもないけれど、巻数が進むほど主人公がより数奇な運命に巻き込まれ、
加速度的に面白くなっていく。
6巻目過ぎたあたりからのおもしろさは異常。
図書館で借りるたびにすぐさま読み終え、
最終巻までの4冊は丸一日、本に没入する感じで読み終えてしまった。

今、週刊少年サンデーでこの本の漫画版がやっているけれど、
原作のほうが数倍おもしろいので、こちらをおすすめする。
posted by 歯車 at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

林檎の木の道

・林檎の木の道(樋口有介)評価3.5



気まぐれで周囲を振り回していた女の子。
由実果が自殺した。
彼女は決してそんなことをするタイプではなかった。
闇に隠された死の真相。
葬式の日、突然目の前に現れた涼子とともにぼくは真実を探り始める。
夏休みを舞台にした爽やかな青春ミステリ。

"ぼくと、ぼくらの夏"でも思ったけど、
強気だけどか弱いっていう女の子を描くのがうまい。
話はそれほどでもないんだけれど、
ひねくれた主人公など登場人物の魅力に惹かれてぐいぐい読まされてしまった。

読後感が爽やかなのも青春ミステリぽくていい。
posted by 歯車 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

ぼくと、ぼくらの夏

・ぼくと、ぼくらの夏(樋口有介)評価4.0



ぼくの親は刑事だ。
隣で涙を流しながら、岩沢訓子の死を悼む麻子さん。
彼女の実家の家業はヤクザの親分だ。
仇敵同士の親をもったぼくたちだけど、
岩沢訓子の不可解な自殺事件の真相を知るため、
一緒に夏休み探偵まがいのことをすることになった。
第六回サントリーミステリ大賞読者賞受賞の青春ミステリ。


おもしろかった。
主人公のクールな性格とヒロインのかわいらしさがイイ!
どこか達観した感じのする主人公が言葉によって、
麻子さんや村岡先生など周りの人々をあたふたと狼狽させる様子が笑える。

ヒロインの麻子も魅力的。
普段は凛とした性格なのに感情の起伏がある上限を超えると、
涙を流し当分泣き止まないような子供っぽさがある。
このギャップがとてもかわいらしい。

巻末の作者プロフィールで"現在秩父山中の廃村に独居"とあるけど、
作者は変わった性格の人なんだろうか。
posted by 歯車 at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。