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2007年02月22日

プリズムの夏

31 プリズムの夏(関口尚)評価3.0



90年代最後の春、ぼくらは松下菜那に出会った。
無愛想な表情で寂れた映画館の受付をする彼女。
ぼくらは彼女に恋をした。
ほろ苦い味のする青春恋愛小説。

松下さんに近づこうとするけれども、うまくいかない。
途中、痛々しい箇所もあるけれど、痛いのも青春だしありだと思う。
最後は救われた気持ちになれるため読後感は悪くないし。
ただ、もうちょっと馬鹿みたいに熱い展開があった方が好みかも。
posted by 歯車 at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

砂漠

30 砂漠(伊坂幸太郎)評価3.5



「砂漠にだって雪を降らせることができるんですよ!」
ぼくらはなんだってできるんだ。
性格も好みもバラバラな大学生5人が織り成す青春グラフティー。

この本の魅力は西嶋。
はじめはうっとうしく感じたけど、
彼の姿が明らかになってくるにつれてかっこいいキャラクターに。
うーん、うまいなぁ。
本の随所に心に残る言葉があった。
上に書いた「砂漠に雪を・・・」の文もだけど
「頭のいい人はいろんなことを要約したがる」ってのもなるほどと感じた。
posted by 歯車 at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

ぼくのメジャースプーン

29 ぼくのメジャースプーン(辻村深月)評価3.5



焦点の結ばない目でふみちゃんがぼくを見ている。
あの事件を境にふみちゃんは笑わなくなった。
「先生」のもとへと通いながら、ぼくは犯人への復讐を考え続ける。
小学生のぼくが罰に辿り着くまでを描いた長編小説。

違和感。
この主人公って小学生か、ほんとうに。
「凍りのくじら」でも感じたけど、
あえて登場人物の年齢を低めに設定しているような気がする。
中学生ぐらいの設定なら納得するのだけれど。
なんか意味があるのかな。

おもしろさはそれほどでもないが、内容はよかった。
効果的な罰とは、復讐は憎しみを癒すのか。
なかなか考えさせられる。
posted by 歯車 at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世にも奇妙な職業案内

28 世にも奇妙な職業案内(ナンシー・リカ・シフ)評価4.0



こんな仕事をしている人がいるのか。
世の中に潜む奇妙な職業を生業とし真摯に働く人々。
そんな彼らを12年間の歳月を費やして撮りつづけた写真家ナンシー・リカ・シェフの労作

片方のページには職業とその人物の簡単なプロフィールを説明する5行程度の文章、
もう片方にはその仕事をする人のポートレート。
見開き1ページで1つの職業が紹介されている。
簡素で淡々とした説明文は想像力をかきたるといった意味でよかったと思う。
ひとつひとつの職業に重厚さが出ていた。
ポートレートの写し方がすばらしい。
さすがプロといった感じ。
不可思議な仕事で働く人々の怪しさや魅力などがうまく表現されていた。
こういう風に人の写真を取れたらな。

自分が驚いた職業は譜面士。
ピアノコンサートでピアニストが演奏する譜面を適切なタイミングでめくるのが仕事だそうな。
posted by 歯車 at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

風少女

27 風少女(樋口有介)評価3.5

中学時代、片思いしていた女の子・・・川村麗子がお風呂場で自殺した。
彼女らしくない死に疑問を憶えた僕は彼女の妹に押されるようにして事件の真相を探ることに。
ひねくれた高校生が主人公の青春ミステリ。

相変わらず主人公の軽口が笑える。
これまで樋口さんの青春ミステリを読んでいくらか楽しめた人には問題ないけれど、
展開がおなじみの型なのでワンパターンが許せない人には少しきつい。
posted by 歯車 at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月15日

独白するユニバーサル横メルカトル

23 独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)評価3.5



ユニバーサル横メルカトル図法で書かれた地図は独白する。
彼が仕えた殺人嗜好を持ったある父子との思い出を。
狂気とグロテスクに満ちたホラー短編集。

「このミステリーがすごい!」第1位の作品だそうですけど、
ミステリを期待して読むと怒りがこみ上げてくると思う。
謎解きっぽいこと・・・あったけ・・・?
寓話っぽいなと感じた作品が多かったものの、
読解力不足で本が示す教訓を読み取れなかった。
ふがいない。
ホラー小説だけあって描写はえぐい。
「Ωの聖餐」のラスト、
「独白するユニバーサル横メルカトル」の新しい地図が登場したとき、
または「オペラントの肖像」のレバーを引き続ける男のシーン。
想像の斜め上を行く残虐さに強い嫌悪感が湧き上がった。
うん、見事。
posted by 歯車 at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 3つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雷の季節の終わりに

8 雷の季節の終わりに(恒川光太郎)評価4.0



次元の狭間にある小さな集落"穏"。
そこで暮らす少年、賢也には"風わいわい"が取り付いていた。
ホラー小説大賞受賞作"夜市"の作者が綴る受賞後、第一作。

泥臭い不思議な世界観と和風テイストな気味の悪さ。
こういう雰囲気の作品は好きです。
話もおもしろく一気に読ませられました。
次回作も気になる作品でした。
posted by 歯車 at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

それからはスープのことばかり考えて暮らした

7 それからはスープのことばかり考えて暮らした(吉田篤弘)評価4.0



仕事をやめ映画館へ通う毎日を送るオーリィ君。
彼は今日もゆっくりとした時間を過ごす。
ほのぼのとした気持ちになれる短編小説。

日曜日に紅茶を飲みながらひなたぼっこして読みたくなる一冊でした。
様々なわずらわしさなどを感じさせないオーリィ君の穏やかな生活に癒されます。
ほっと一息つきたいときにどうぞ。
posted by 歯車 at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月05日

ワイルドソウル

6 ワイルドソウル(垣根涼介)評価4.5



南米に広がる熱帯雨林地域、アマゾン。
その酸性の土壌下にはいまも数万の棄てられた日本人たちが眠っている。
無念を抱いて眠る同胞たちのために男たちが国家を相手に勝負を仕掛ける。
復讐する男たちを描いた長編小説。

600ページの文字がぎっしり詰まった単行本。
長い。
けれどこれは意味のある長さだ。
読むことをぜんぜん苦痛に感じなかった。
前半の移民たちを待っていた凄惨な生活の描写。
後半の先の読めない緊張する展開。
これぞエンターテイメント。

高度経済成長の影でこんなことが起ったなんて知らなかった。
棄民という側面を含んでいたブラジル移民政策。
国家が己の体面のために自国の民をだます。
唖然とした。
最近も日本では天下りをはじめとした官僚たちの自己保身が続いている。
当時と同じ腐った体質はいまだにあるのかもしれない。
ある将来像が頭に浮びぞっとした。
posted by 歯車 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カタブツ

5 カタブツ(沢村凛)評価4.0



不器用で、地味で、こつこつとした暮らしを送る。
決して派手ではない。
けれど結局、世間を動かしているのはまじめな人たちなのだ。
地味でまじめな人たちを主人公とした6つの物語。

どの短編もカタブツと呼ばれるようなまじめな人物を主人公にしている。
まじめな地味な人物たちの物語だからおもしろ味に欠けるかといったら、そうではない。
むしろ、逆。楽しめた。
誠実に物事に取り組むがゆえにいろんなことに悩む主人公たち。
共感できた。
物語のオチも意外さがあってよかった。
怖い感じのオチが多かったのが気にはなったけど。
お気に入りキャラは樽見。
表に出さない不器用なやさしさがいい。
posted by 歯車 at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 4つ星本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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